教育委員会への申し入れ
以下は、2007年2月から3月にかけて私たちが活動している灘区・東灘区で、野宿しているへの襲撃がたび重なったことから、3月15日に神戸市教育委員会へその対策を申し入れた文書です*1。
中学生の野宿者襲撃防止と教職員の野宿問題への理解を深める取組みについての申し入れ
2007年3月15日(木)
神戸市教育委員会
教育長 小川雄三 殿
指導部長 池内幹夫 殿
私ども、神戸YWCA夜回り準備会は、1998年の発足以来、神戸市の灘区・東灘区において野宿している人――いわゆる「ホームレス」――を訪問し、本人から医療や福祉について相談された場合、可能なことを手助けすると同時に、野宿している人の人権侵害を防ぐべく活動している団体です。
別紙の通り、私どもが訪問している先でここひと月ほどの間に、中学生程度と見られる少年による野宿者への襲撃が頻発しております。襲撃は言うまでもなく、野宿している人への人権侵害です。また成り行きによってはより過激な暴力行為へと発展する可能性があることを危惧しています。
もちろん、襲撃者の年齢や所属する学校については明らかではないケースもあるため、すべてが神戸市立の中学校の生徒によるものとは断言できませんが、その可能性は少なくないと考えております。
つきましては、神戸市立の小中学校の生徒による野宿者への襲撃を防止する手立てを講じていただくとともに、その前提として小中学校の教職員ならびに教育委員会の関係者に野宿している人の置かれている厳しい現状についてのご理解を深めていただきたく、ここに以下、申し入れる次第です。よろしくお取り計らいの程、お願いいたします。
【申入れ事項】
1. 生徒指導などを通じて、生徒による野宿者への襲撃を防ぐ手立てを早急に講じられたい。ただその際、具体的に野宿している場所を明らかにするなど、襲撃を助長しかねない指導は慎まれたい。
2. 指導する教職員自身あるいは教育委員会関係者の野宿者への理解を深めるために、可能な手立てを講じられたい。これについては、私ども神戸YWCA夜回り準備会の者が出向いて説明してもよいし、あるいは教職員などに実際に夜回りに参加してもらってもかまわない。可能なことについては最大限に協力したい。
以上