神戸YWCA夜回り準備会のブログ

神戸YWCA夜回り準備会(仮)のブログです。詳しくはウェブサイトをご覧ください(https://www.kobe.ywca.or.jp/top/activities/regional/yomawari/)。

「生活保護について」

 以下は、生活保護について説明するためのビラです。夜回りのときに携帯して、生活保護を受けようかと考えている人などに配布しています。(2007年8月25日作成)

生活保護とは

 生活保護は、すべての人が「健康で文化的な最低限度の生活」(日本国憲法第25条)を送ることができるようにするための制度です。仕事がない人、あるいは仕事があっても収入が基準に満たない人は誰でも、この法律にもとづいて、保護を受けることができます。そこで、このお知らせでは、生活保護のしくみについて、簡単に説明します。おおまかに言うと、神戸市内で受けられる生活保護には現在、「更生センター」への入居と、自宅での生活保護の受給という2つの方法があります。

更生センターへの入居

 更生センターは、野宿生活をしている人の保護を目的とした施設です。JR灘駅の近くにあります。

  • いいところ:寝るところと食事が無償で提供される、無料で医療を受けることができる、など。
  • 気になるところ:プライバシーがない(4〜6人部屋)、作業や掃除当番などの生活訓練がある、飲酒が禁止されている、など。

 更生センターでの生活は、いろいろと不便なことが多いものの、ひとまず、衣食住と医療が保障されるのがよいところと言えそうです。

アパートに入居しての生活保護

 生活保護には、自宅で生活保護を受けるという方法もあります。この場合、生活費(年齢によって違いますが、約8万円)プラス家賃の手当てを受け取ることができます。
民間のアパートを借りるには、住民票(神戸市内でなくても構いません)と保証人、それに家賃と不動産屋さんの手数料としてそれぞれ約4万円、合計して8万円くらいのお金が必要になります。保証人がいない場合、お金を払って(3万円くらい)保証人になってもらうことも可能です。

  • いいところ:プライバシーのある空間で、自由に生活することができる。
  • 気になるところ:住民票など公的書類が必要、最初にまとまったお金と住むところを準備する必要がある、自炊しなければいけない、など。

 アパートへの入居は、比較的ゆとりのある生活が可能になりますが、そのために準備しなければいけないことも多いのが難しいところです。ただし、敷金などを融通してくれる大家さんがいることもあります。その場合は、これよりも安く済むこともあります。

簡易宿泊所(ドヤ)での生活保護

 更生センターには入りたくないけれども、アパートに入居するお金や保証人のあてがない、という場合には、ドヤに泊まって、そこを住所にする方法もあります。最近は1泊だけ泊まれば、住所として認められるようになっています。
この場合、ドヤに1泊したあと、福祉事務所に生活保護を申請しに行きます。ドヤに1泊すれば、「野宿者」ではなくなるので、福祉事務所に生活保護を申請することができるようになります。ドヤ代は1泊1300円くらいです。だいたい3泊分、4000円くらいあれば大丈夫でしょうか。

  • いいところ:アパートを借りる場合に比べて、最初に必要なお金が少しで済む。
  • 気になるところ:アパートに比べると非常に狭い、自炊する設備がないこともある(自炊できないとお金がかかる)、など。

 ドヤでの生活保護は、比較的少しのお金で保護を受けることができるものの、保護を受け始めてからの生活に(アパートと比べて)不便が多いのが難点と言えそうです。

住民票について

 生活保護についてのお話をしていると、「神戸市内に住民票がないので、生活保護が受けられない」という声を聞くことがときどきあります。しかし、これは大きな誤解です。神戸市内に住民票がない人でも、生活保護を申請することはできます。家庭の都合や経済的な事情で住民票を動かせない、という方も、ぜひ一度ご相談ください。

関心のあるかたはご相談ください

 ここにある説明は、ごく大ざっぱなものです。実際には、更生センターからアパートや病院での生活保護に移行するといった場合もあり、すべてをここで詳しく説明することはできません。アパートへの入居についてもいろんな方法が考えられますので、ご関心をお持ちのかたは、ぜひ私たちまでご相談ください。