神戸YWCA夜回り準備会のブログ

神戸YWCA夜回り準備会(仮)のブログです。詳しくはウェブサイトをご覧ください(https://www.kobe.ywca.or.jp/top/activities/regional/yomawari/)。

更生センター・更生援護相談所

2021/12/23 更新:
2020年と2021年にも訪問見学会を開催。詳細はこちらから↓
yomawari.hatenadiary.org
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 JR灘駅のそばに、更生センターという建物がある。ここは神戸市が生活保護法に基づいて設立した更生施設で、現在は住むところのない男性が入る施設になっている(女性は入れない)。3階が居住空間で、そこでは畳2枚程度の空間が占有でき、3度の食事が提供され、週2回入浴できる。
 入居すると内部作業(内職)や外部作業(草刈など)、掃除当番などがある。6人部屋・4人部屋なので人間関係が難しく、そのため入所を希望しない人も多い。小遣いは月2,000円。禁酒を求められる。定員50名。
(写真)更生センターの外観

 同じ建物の1階部分(2階が入り口なので地下のように感じられる)が更生援護相談所という社会福祉法に基づく神戸市立の一時宿泊施設である。夕方記名すれば無料で宿泊できる。朝8時ごろには出なければならない。ただ、雨の日は昼間もいることができる。また病気であれば、晴れていても、昼間もいることができる。
 更生援護相談所での食事は年末年始には出るが、年明けから次第に減っていき、3月頃からは出なくなる。それでも1日にパン1個が、位置づけははっきりしないものの提供される。シャワー・入浴は3週間に一度くらい。2段ベッドなどで80床ほどあり、年末年始には100人以上が宿泊する。
 更生センターと更生援護相談所という2つの施設が同じ建物にあり、職員も同じなので利用者は混乱する。下(更生援護相談所)に泊まると風呂も食事もなく、毎日違うベッドで寝ることになり、前に泊まった人がシラミなどを残していくと痒い思いをする。
 職員が「弱っている」と判断すると、「上にあがるか(3階の更生センターに入所し生活保護を受けるか)」と声をかけるので、「職員に気に入られた人には食事が出て、風呂にもはいれる」と誤解する人も少なくない。
 週2回(月曜と木曜の午後)嘱託の医師による診察がある。急病であるか重篤ならばすぐ病院に搬送される。そこまでの状態ではなくとも、医師が病気かもしれないと判断すると近くの病院で検診するよう手配される。
 病院では最初は治療・投薬はせずに診断結果だけを更生援護相談所に連絡する。その結果、病気だと診断されると、相談所は「医療券」を発行し、ようやく治療を受けられるようになる。治療を受けるためには更生センターに入所するか、(原則として)相談所に宿泊しなければならない。自分の住んでいるテントやそこでの仕事、飼っている犬や猫が心配で相談所に泊りたくないという人は医療を断念するしかない。
 また、更生センター・更生援護相談所のほかに、自分で収入がある人のために「兵庫荘」(神戸市立)という一泊50円(月1500円)の施設がある。また「磯上荘」(神戸市社会福祉協議会)という一泊200円(月6000円)の低家賃の施設もある。どちらも、仕事が途切れて家賃を払えなくなると出されてしまう。